カレンダー・スプレッドに関するメモ

AkiyoshiXP2009-11-07

カレンダー・スプレッド(タイム・スプレッド)を薦めるエントリーが微妙に多いので気になってシュミレーションしてみた。
 
以下要点

全体として、現在のIVが高くて今後減少しそうな場合には、組まないほうがよい

→IV下落すると期先OPのプレミアムの減少がきつく、しばしば期近OPのタイムディケイを上回る

大きくどちらかにじわじわ動きそうな場合にも組まないほうがよい

→たとえばコールのカレンダースプレッドの場合、原資産がどんどん上昇してATM→ITMになった場合、期近の売っている方が先物のように振舞いだすので、タイムディケイがきかない。その反面、買っている期先の方はタイムディケイが効いてきて価格が下がってくる
→(コール)逆に原資産が下がった場合、OP価格はマイナスにはならないので、期近の売っている方の値下がりをある時点で買っている期先が上回ってしまい、損失となる
→プットはこの逆。
 
以下考察

どういう時につくる?

→IVは上昇し、相場は動かない、という矛盾する環境が最大利
→つまり、このポジションは案外使えない
→ただ、短期間にIVが増える場合には利益を出せるので、事件・事故には強い

落とし穴

→一番損をするのは、IVが下落し、さらに現資産価格が満期に向けて大きく動く場合。
→つまり、要は急落(>急騰)後のリバとかが起きる場合
→PUTの方がIV減少きついので、まだコールでタイム・スプレッド組むほうがマシ

結論

カレンダー・スプレッド=事件に対するヘッジつきロングバタフライ。
急落(それこそテロみたいな)に強い反面、最大利益は出しにくい。
ロングバタフライとは時間・ベガに対する反応性がちょっと違う。