血液型の話 by アキヨシ

じゃ、ちょっと自分が血液型と性格の話で考えていることを全部書いてみます。
まず現時点において血液型と性格との相関を示す完全な科学的データはない。というか、これを演繹的に科学的に調べられるようになったのが最近なので、まだ誰も研究していないのでデータがない(詳細は後述)。
帰納的アプローチは昔からされていて、不完全な(ランダムサンプリング&大規模臨床調査をされていない)研究はいくつかあり、その一部は脳生理学にやや踏み込んだ研究もしているが、サンプル数が少なすぎて妥当性に欠ける。*1
ちょっと精度が落ちる事例*2とおまけ*3
 
さて、脚注につけた例や、「X型は〜〜であることが多い」という記述の統計を取っていくと、一定の傾向が見えてくる。特にメジャーで広く流布している性質が、A型の「几帳面・ルール遵守・神経質」とB型の「マイペース・ルーズ」。この2つに注目したのには理由があって、その性質は、それぞれ次のような脳内に存在するモジュールの視点に立てばかなり対義的に捉えることができる(つまりその機構の有無もしくは多・少で前記の傾向が生まれる)。
 
それは集団同化作用もしくは模倣を促す回路もしくは物質。
 
既存のルール、還元すれば「他人の行動」=「みんながそうしていること」に従う性質が強ければ、それは、おおまかには時間に几帳面とかルールを守るとか神経質とかいう性格につながるし、逆にその性質が弱ければ、相対的に、マイペースやら自己中心的やらルーズやらという性格につながる。
さて問題は、現在においてそのような作用を促す物質が特には同定されていないということ。現在知られている脳内神経伝達物質としてはメジャーなものはACh,NA,A,GABA,ドーパミン,Glu,Gly,セロトニン,ヒスタミン,各種オピオイドなどがあるが、これらは物理的な総量が多いために研究が進んでいるに過ぎず、その他の超微量で働く神経伝達物質は、むしろ最近活発に研究が始まったばかり。(東大薬学研の池谷博士が有名。頭のよくなる薬を発見してしまった人)
この超微量で働く脳内物質には驚く作用があることが次々報告されていて、短期的学習能力とその定着を決定づける物質もあれば、性衝動が起きたときそれが実際に行動に結びつく度合いを決定するものもある。つまり、結構細かく生物の行動を規定する多種多様な脳内物質が存在していて、今はまだほんの一部しか分かっていない。メジャーどころでは脳内ノルアドレナリン受容体が少ないとわずかな刺激に対して、過剰に攻撃or逃避を起こすという例がありますが、これと前述の模倣ホルモン(仮)とはそれほどレベル(行動次元)の差がない気がします。
という状況を鑑みた上で、たとえば9/20に述べた「第9染色体のABO式血液型発現遺伝子の近隣やその関連部位に模倣ホルモン(仮)を規定する神経伝達物質もしくはそのレセプターを調節する遺伝子が存在する」や「抗B抗原が身体のどっかで作られている模倣を促すホルモンを運びやすい」ようなことが示せれば、一部の血液型の話は、かなりスムーズに決着がつくのです。(※無論個体差があるし「O型はバカ」のような意味のない診断もある)
ただしこれは今まさに研究が進んでる分野なので本当に証明しようとしたらそれこそ自分が研究するしかない。そんなオチ。でも血液型と性格の関係をまじめに研究しようという人もたぶんなかなか出ない罠。
でもこれだと「科学的に説明できる余地は多分にあるよ」っていうことを示したにすぎないな。まあ頭から否定しないでおくれ、というのが結論でつ。

*1:東海大灰田宗孝教授&聖マリ大浅尾哲朗教授の研究

*2:三井石油による「自動車事故事例3,000件の調査データの分析」をベースにしたという血液型診断※てゆかこんな公的企業まで血液型の話を載せているのはさすがの自分もびっくり。暇な人もいるもんだ……。

*3:あるある大辞典@保育園( 1 , 2 )