昨日、表参道を歩いた。(哲祥)

見慣れた風景がないのはやはり寂しい。
同潤会青山アパートが取り壊されてからそろそろ2年。
 
日本の文化が遅れているから「優れた建築物」が残らない、という論調がしばしばあるけれど、ある意味で正しく、ある意味で間違っている気がする。
イタリアとかそのへんで、毎日芸術品のような建築に囲まれて地域住民が育っていれば、どの建物は残すべきだとか、そのデザインの価値とかについてはある程度分かるし、保存も当然のごとく進む。
一方日本は、この国は木造建築が始まってから過去2000年くらい、作っては壊れるのが当然の環境だった。台風とか地震とか。そんな残すべき建物が少なすぎる状況で文化を問うのは酷だ。
だからこそ同潤会のアパートを残すかどうかが新しい文化を作れるかどうかの鍵だったと思うのだが、やはり耐震・防災という名目で壊されてしまった。
母校の校舎もいずれ壊されてしまうのでしょうかね。
仮に充分な耐震性を確保するのに巨額の費用が必要だと言うのなら、その巨額の費用をぽんと出せるようになっておきたい気もする。